キミを想う。
「どうするー?ゲーセン行くか?」
タケくんが面倒臭そうに口を開く。
「帰る。ゆず、帰ろ!」
「あ、うん」
瀬野くんがいなくなってつまらないのか、菜々ちゃんはさっさと駅の方へと歩き出した。
「あ?帰んのか?」
「ご、ごめんね?」
ペコッと慌てて二人に頭を下げ、菜々ちゃんの後ろをついていく。
「郁斗、いきなり帰るとか意味分かんない!」
「そ、そうだね…」
「はぁ~…、もっと郁斗と一緒に過ごしたかったのにな」
残念…とがっかりしながらため息をつく。
私ももうちょっと瀬野くんといたかったな…。
二人で溜め息をついていると、反対側のホームに電車が滑り込んできた。