キミを想う。
誰か助けて!!
そう心の中で叫んだのが聞こえたのか、誰かが瀬野くんに声をかけた。
「郁斗」
「あ…何だ?」
振り返り、声の主を確かめる瀬野くんにつられ、私もその人物に視線を向けた。
「どうした?ユキが来るなんて珍しい」
そう問う瀬野くんに心の中で同意するように、うんうんと頷く。
ユキくんがこの教室に来るなんて初めてだよ。
でも助かった~…と安堵の息を吐く。
「…昨日、忘れていったやつ渡そうと思って」
「あぁ、これ?しばらく貸すって言わなかった?」
「……そうだっけ?」
ぽわ~んとした感じのユキくんと瀬野くんの会話。
何だか変な感じがする。