キミを想う。
「いただきます」
手を合わせ、卵焼きを口へと運ぶ。
「…美味しい。……でも、一人だと寂しいな…」
一人だと冷えたお弁当が余計に冷たく感じる。
屋上は騒がしかったけど、賑やかで見てるだけで楽しかったもんな…。
「はぁ~…」
「溜め息つくと幸せ逃げんぞ」
えっ!?
突然聞こえてきた声にビクッと体が飛び跳ねた。
「…こんなとこで何してんの?」
「何って…お弁当…食べ…」
「そうじゃなくて、あんた一人?」
話を途中で切るように言うと、私の後ろに寝転ぶように腰を下ろした。
「…うん」
そう答えるが返事はなく、沈黙が流れる。