キミを想う。



「…ユ、ユキくん」


「……なに?」


食べ終えたお弁当箱を片付け、勇気を出してユキくんに話し掛けてみる。



「お昼は?」


「食べた」


「そう、なんだ…」


「……」


会話が続かない!!


やっぱり沈黙になるよ。



「……予鈴鳴ったら起こして」


「えっ!?」


予鈴鳴るまでここにいるの!?


この二人っきりの空気、気まずくて嫌なのに…。



でも、瀬野くんと菜々ちゃんのこと考えると、授業開始ギリギリまでここにいた方が楽かな…とも思っちゃう。



結局、予鈴が鳴るまで非常階段でユキくんの綺麗な寝顔を見て過ごした。




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