キミを想う。
「郁斗!正門に加穂ちゃん来てんぞ!」
…カホさん?
「マジで!?やべぇ、待たせたら怒られる!」
さっきまでの表情とは打って変わって、嬉しそうな表情を浮かべた。
「さっさと行かねぇと帰っちゃうぞ」
「わーってるよ!あ、ゆず悪ぃ!俺、急いでるから、また明日な」
楽しそうに笑う三和くんと私に挨拶すると、急いで荷物をまとめて教室を出ていってしまった。
質問に答えなくて済んだけど、なんだろ。
モヤモヤする。
「あれ?郁斗は?」
「加穂ちゃん来てるから慌てて帰ってった」
「ふーん…相変わらずだな」
教室にやって来たタケくんは呆れたように教室の窓から外を眺めた。