キミを想う。



タケくんと一緒に教室の窓から正門の方を覗くと、瀬野くんが慌てて一人の女の子の所に向かってる姿が見えた。



「…カホ…さん」


どんな女の子なんだろうと呟くと、その声に三和くんが面白そうに反応した。



「やっぱり気になる?」


二ッと歯を見せて笑う。



「えっ!?いや、あの…」


またも無意識に聞いてしまっていたことに焦り慌てて否定するも三和くんは、郁斗には俺が教えたって内緒な?と言葉を続けた。




「幼なじみだよ」


「…幼なじみ?」


少しその言葉にホッとするも、三和くんの話は続いていた。




「それで郁斗の好きな人」



……………えっ?



「あいつ、あぁ見えて純情なんだもんな」


「そう!ずっと片想いしてるよな」


楽しそうにケラケラ笑いながら話す三和くんとタケくん。



瀬野くんの好きな人…なんだ。


そんな気はしてたけど…。


なんだろ胸がキューッてなる。



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