キミを想う。
学校から出て、電車に揺られながら菜々ちゃんと家まで帰る。
加穂さんは瀬野くんの"幼なじみ"で"好きな人"
凄い嬉しそうな表情で、加穂さんのところに飛んでいってたな…。
そんなことをボーッと考えていると、「ゆず?どうしたの?」と菜々ちゃんが顔を覗いてきた。
「…菜々ちゃん。もし、もしも、瀬野くんに好きな人がいたらどうする?」
「…えっ?」
えっ?えぇ!?
私、何口走ってるの!?
ふと我に返って菜々ちゃんに余計なことを言ったことに気付く。
「郁斗、好きな人いるの…?」
「えっ?あ…、えっと」
暗い表情になる菜々ちゃんに、どうしたらいいか分からずに焦ってしまう。