キミを想う。

｢ち、違うよ！？知らないよ！えっと、そうじゃなくて｣


どうしよう。何て言えばいいんだろう…。



｢あ、あの、もしもの話だよ！す、好きな人、いたらどうするのかな？って｣


誤魔化せたかな？


慌てながらもひきつった笑いを浮かべつつ、菜々ちゃんに質問をする。



｢えー、もし好きな人がいたら？｣


｢んー｣と菜々ちゃんは頭を抱え悩み始めた。


良かった…。


ちゃんと誤魔化せたよね？



｢もしいたとしても、その人と付き合ってないなら諦めない！｣


｢もし、両想いだったら？｣


｢んー、それは悲しいけど、郁斗がその人の事を凄く好きなら応援するしかないよね｣


ははっと菜々ちゃんは悲しい表情を少しした後に、優しい恋をする可愛い表情をした。



菜々ちゃん、可愛いな…。


もし、加穂さんのこと知ったらどうなるのかな？



"好きな人"って、付き合ってるのかな？


瀬野くん本人に聞かないと分かんないよね…。



チクッ…。



なんでだろ。


凄く胸が苦しい…。