キミを想う。
「あ、えっと、そろそろ予鈴が鳴りそうだから、戻るね…」
腕を組んで目を瞑っているユキくんに声をかけるが、寝ているのか反応がない。
「…ユ、ユキくん?」
ちょんちょんと腕を指でつつくが反応がない。
えっ?また寝てるの?
昨日も寝てたよね?!
焦りながらも、白い肌に長い睫毛、目を閉じていても分かる整った顔立ちに見惚れてしまう。
本当にこの人はキレイだな…。
「…なに?」
ジーッと見ていたのが伝わったのか、ユキくんは突然、目をパッと開けた。
「あっ!ご、ごめんなさい…」
慌てて視線を逸らして非常階段から校舎内へと戻った。
び、びっくりした…。
急に目が合うんだもん。
見つめてた私が悪いんだけど…。