キミを想う。



まだ少しドキドキ鳴る心臓を整えながら、教室へと入っていく。



「ゆず、どこ行ってたんだよ」


「…えっ?」


瀬野くんが不機嫌そうな顔で私を待っていた。



「今日も菜々子と昼食べてなかったじゃん」


「えっと、今日も違う友達と…」


どうしよう…。


昨日もそう言って誤魔化したけど…。



「友達?菜々子以外に出来たのか?」


「う、うん…」


目も合わせることが出来ずに、今回も適当に誤魔化し返事をする。


「マジ?良かったじゃん」


ニコッと嬉しそうに笑う瀬野くんに、また何故だか胸がチクッと痛む。



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