キミを想う。



「だ、だから、菜々ちゃんと食べない日は、そ、そのお友達と食べることに…なると、お、思います」


「うん。そうだな。でも屋上にはいつ来てもいいからな!」


「あ、あの、それで、お…屋上には、もう行きません」


言いながら手に汗をかいていることに気が付く。


緊張しているのか、声が震えているのが自分でも分かる。



「なんで?屋上のこと誰かにバレた?」


急に行かないと言ったからか、不思議そうに見つめてくる瀬野くん。



「ううん、違うよ。折角出来たお友達だから、その、あの…お友達との時間を大切にしようかなー…と」


こんな嘘で大丈夫かな?


恐る恐る瀬野くんを見るとどこか納得してなさそうな表情をしながらも、「そっか。まぁそうだよな」と笑った。



「友達、出来て良かったな」


ニコッと嬉しそうに瀬野くんは笑ってくれた。


昨日よりもなんだかあっさり納得してくれ、ちょっと拍子抜けな感じがした。


瀬野くん、昨日、何かあったのかな…?


瀬野くんの様子が気になりつつも、菜々ちゃんのことが頭をよぎった。


菜々ちゃん、ごめんね。


協力してって言ってくれたのに、私は瀬野くんと近付きすぎないようにする方法しか分からないよ…。



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