キミを想う。
「あ、そうだ。今度、お祭りあるでしょ?郁斗達誘って行こうよ!」
急に思い出したかのように菜々ちゃんは明るく言ってきた。
「お祭り?花火大会もある?」
「そう!」
地元で毎年行われる花火大会で、毎年凄い沢山の花火が上がることで有名で、よくテレビにも取り上げられている。
確かにいつも大迫力で綺麗でドキドキしながら見ている。
去年は菜々ちゃんと一緒に浴衣を着て行った。
「郁斗達誘うのは嫌?」
「えっ?ううん!いいと思うよ」
私の反応がいまいちだったのか、しょぼん…とした空気が漂っている。
「じゃあさ、郁斗に花火大会の日予定ないか聞いといて!」
「うん、……え?」
予定を聞いとく?私が?
「無理無理無理!!!」
絶対に無理!!
涙目で訴えたからか、菜々ちゃんは呆れた様子でため息をついた。
「分かったよー。ごめんごめん。私が直接聞くよ」
「うん。ごめんね…」
「いいよ。自分で聞いた方が郁斗と話すチャンスだしね」
そう言って菜々ちゃんは優しく微笑んだ。
私って本当に役立たずだ…。