キミを想う。
「花火大会?」
「うん!郁斗も一緒に行こうよ!ノブやタケも呼んでさ!」
学校に着くなり自分の教室へ行かずに、早速、瀬野くんを花火大会に誘う菜々ちゃん。
「んー…別にいいけど」
「本当!?絶対だよ!約束!」
瀬野くんの返事に凄く嬉しそうな笑みが溢れる。
「はいはい。つーかノブやタケが良いって言ったらだからな」
呆れながら言う瀬野くんに、「大丈夫!タケ達も行くって言わすから!」と菜々ちゃんは意気込んでいた。
ユキくんは誘わないのかな?
ふとそんなことを思っていると、「ユキは誘う?」と瀬野くんが菜々ちゃんにタイミングよく聞いた。
「うん。でも、郁斗が誘って!ちょっと、ユキって何考えてるか分かんないし苦手なんだよね」
ははっ…と苦笑する菜々ちゃん。
「まぁ、基本、無表情だからな」
分からなくもない…と瀬野くんは頷いた。