【完】好きじゃないもん!
「ただ、自然体でいれるようになっただけなんじゃないのかしら。」
未優が足元にあった小石を蹴飛ばしながら言った。
その小石は、水溜りに落ちてポチャンと音を立てた。
おととい降った雨はやっぱり大量で乾ききっていなかった地面。
「未優は家、こっちだから。じゃあね。」
そう言って歩き出した未優。
自然体でいれるようになった。
その言葉がとてもうれしかった。
そして、叫んだ。
「未ー優ー!...ありがとう!」
聞こえたか聞こえてないかは分からない。
ただ、そういいたかっただけなんだ。