【完】好きじゃないもん!
「ま、いいけど。・・・薬かけるぞ?」
いつの間にかスプレー状の消毒を持っていた城戸君。
しゅっと音がして冷たくなった。
「ぃたぁ!」
「こんくらいで文句言うなよ。今日はどうする?できるか、ダンス。」
もう、そんな心配そうな顔しないでよ。
「大丈夫です!ありがと。」
わ、わたしったらまた。
かわいくお礼ぐらい言いなさいよ。
「じゃあ、俺音楽室にCD取ってくるから、ここにいて?」
そっと絆創膏をはってから立ち上がって出て行った。
「そんな、優しくしないでよ・・・。」
わたしの小さな声が静かに聞こえて消えた。