イケナイ太陽
「饗庭ー?」
「何だ?粧裕」
シュトラウスの事を考えてた俺を佐伯粧祐が覗き見る。

「大丈夫?ぼーっとしてたみたいだけど。」

俺が任務中にシュトラウスの事を考えるなんてな……。

「あぁ……いや、女の部屋来たの初めてだからさ。緊張しただけだよ 」

「へー饗庭でも緊張とかしちゃうんだ?」

「意外に失礼だよなお前。」
「ま、そこらへんはほっといて♪はいどーぞ。麦茶ですが。」

「あぁ、サンキュ」



最近の俺は何か変だ。
なんか…こう……
任務中だというのに心が……。
これを何と言い表したら良いのか。

穏やか…?
ピリピリしていない?
違うな…
リラックス……と言うのか?

とにかく、何か変だ。



「ねぇ、饗庭!これ この間の映画のDVDだよー!やっと買えたの!!見る?」

佐伯粧祐にこの間話した映画のDVDが佐伯粧祐の手元にあった。

「おっ! これ見たかったんだよ。見よーぜ。」

結構前に話した事なのによく覚えてたな、なんて思いながらDVDをデッキの中に入れる。


《ガシャン》


DVDを入れて、しばらくCMがあり、本編が始まった。
その映画は、計2時間ほどのラヴ・ストーリーで、殺し屋の彼のターゲットに自分の彼女がなってしまい、殺せずにいると、彼氏の仲間が彼女を狙い、殺してしまう。それを知った彼氏は彼女の後を追い、自殺する
という内容だった。

殺し屋の話だったから見たかったんだが………別におもしろくもなんともなかったな。

そういえば俺の前に佐伯粧祐を狙ってた奴は任務失敗して親父が殺ったんだったっけか?

どいつもこいつも似たような甘い奴ばっか。
シュトラウスの予備班の教育ももっと厳しくした方が良いんじゃねーの?


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