イケナイ太陽
そんな事を思いながらふと横を見ると、粧裕が泣いていた。


「おいおい粧裕………そんな泣ける映画だったか?」

「うっ……ひっく…………だっ…って さ……最後…女の人死んじゃってさ……男の人も自殺してさぁ…………うぅっ……」

「おい……泣き止めよ」


そう言って粧裕を抱きしめた。


「愛し合ってただけ………よくね?」

「!………うん………そうだね!」




何か簡単に泣き止みやがった。こいつ。

しかし……何で映画ごときで泣けるんだ?
自分に起きた事じゃないし……ましてやフィクションだぞ?

お前だって……そうなんじゃないのか?

昔に沢山の人間を苦しめたから、今、俺に狙われてんじゃないのか?



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