イケナイ太陽
改めて先程渡された資料を読む。
やはり何度読んでも新鮮だ。

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名前:佐伯 粧祐
年齢:17歳(高等学校二学年)
性別:女

幼い頃に両親に捨てられ、施設に入る。
小学4年からタバコやシンナー等を吸い始め、中学2年で施設から抜け出しその後行方不明。
高校1年の夏から突然姿を現し、東京都内の学校へ入学。
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まとめて文に書けばこんなかんじか…?
にしても今回この資料書いたのは"山城(ヤマキ)"だな…

書いてある事がやたら細かい。
好きな食べ物やら服の好みやら友達の人数やら…。

あいつは俺の事を馬鹿にしているんじゃないか?

こんな細かい情報、俺には不要だっつーの。


……だがおかしい。
いつもの情報班なら…。
しかも今回はあの山城が担当してるというのに情報が曖昧だ。

いつもなら
〇月〇日〇時〇分、施設〇口より抜け出し、〇時〇分発〇〇線〇〇行きを使って〇〇まで行き〜……

ぐらい細かい。
いや、下手するとこんなもんじゃ済まなくなる。


なのに今回は小学生4年生頃だとか夏にだとか幼い頃とか……いつもならあり得ない荒らさだ。


手を抜いたのか?


いや、違う。
きっとその行方不明だったあたりでどっかのでかい組織の所にいたんだろう。

シュトラウスの情報班でさえもつかめないターゲット――……


おもしれーじゃねーの。
このぐらいのハンデあげてやるから俺を楽しませてくれよ?



サエキ サユ
佐伯 粧祐―――…?


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