年上ヤクザ



「…亮を…片桐組を守りたい。


守るために、私は嘘をつきます。
でも…中津さんは、分かってください。


私は…亮を愛してる。」




私は決心した。

この片桐組を守るためには、私が私を捨てる。


昔から…慣れっこだから。



「…セレナさん?」


消えそうな声で中津さんが言った。



「亮には…絶対に言わないで。」


「セレナさん!」


「…っ…中津。

これは…片桐亮の女からの命令です。」



これで亮を…片桐組を救えるなら。


私は…亮に闇から救ってもらったから。




今度は…私の番。



私は自分の心を…人生を愛する人にあげたかった。




「さよなら。春日セレナ。」



私は亮の声がする玄関に向かった。












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