年上ヤクザ
明日への希望
「落ち着いたか?」
その人は私の涙が乾くまで一緒にいてくれた。
その問いかけに私は頷いた。
「じゃあ、送っていく。」
その人は言った。
でも…私はこれから借金を返済するためにピンクの店で働く。
その面接に行きたかった。
「大丈夫です。歩けます。」
私は破れた服を前で重ねた。
「…送っていく。」
「いや、大丈夫です。」
お互いに一歩も譲らない。
「送っていく。」
「いや、私…バイトの面接に。」
「バイト?こんな夜にか。」
「はい。ピンクの店なんで。」
私はこの人なら…と話してしまった。