年上ヤクザ



あれから一週間。


セレナからはもちろん。山下組からも何も連絡がない。





俺はあの日以来、何処にも行かず、何も話さず、ずっとセレナと二人の部屋にいた。





目に光はなかったと思う。



そんな時に…中津が俺に話しかけてきた。







「若頭。お話しがあります。」


「……………。」


「セレナさんは若頭を今でも…愛しています。」



セレナという言葉を聞いて、俺は中津を見た。


「どういうことだ。」

「はい。
あの日…セレナさんは私に話してくれました。


自分が山下組にいけば、若頭も、若い衆も怪我をしないで助かる。

だから…自分は若頭に嘘をつくと。」



「嘘…?」



中津の言葉で、俺の頭は混乱した。











< 120 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop