年上ヤクザ
あれから一週間。
セレナからはもちろん。山下組からも何も連絡がない。
俺はあの日以来、何処にも行かず、何も話さず、ずっとセレナと二人の部屋にいた。
目に光はなかったと思う。
そんな時に…中津が俺に話しかけてきた。
「若頭。お話しがあります。」
「……………。」
「セレナさんは若頭を今でも…愛しています。」
セレナという言葉を聞いて、俺は中津を見た。
「どういうことだ。」
「はい。
あの日…セレナさんは私に話してくれました。
自分が山下組にいけば、若頭も、若い衆も怪我をしないで助かる。
だから…自分は若頭に嘘をつくと。」
「嘘…?」
中津の言葉で、俺の頭は混乱した。