年上ヤクザ
「あっ!お昼の…」
そこには、昼休みにぶつかった男子生徒が息をきらして私を見ていた。
「…はぁーこれ…。」
そう言ってその人は私に生徒手帳を渡した。
「…これ、私の。」
その生徒手帳は紛れもなく私の物だった。
「ぶつかった時に落としたらしくて。
今、丁度見つけたから。」
「…本当にありがとうございます。」
私は頭を下げた。
「いや、俺がぶつかったんだし。
あっ、そうだ。
俺、1年の速見季関(ハヤミキセキ)。」
速見さんは微笑みながら言った。
「あっ…私、1年の、春日セレナです。」
私は頭を下げた。
速見さんは知ってる。と笑った。
「生徒手帳。見ちゃったから。」
そんなことを話していると…