年上ヤクザ



「あっ!お昼の…」


そこには、昼休みにぶつかった男子生徒が息をきらして私を見ていた。



「…はぁーこれ…。」

そう言ってその人は私に生徒手帳を渡した。


「…これ、私の。」


その生徒手帳は紛れもなく私の物だった。


「ぶつかった時に落としたらしくて。

今、丁度見つけたから。」



「…本当にありがとうございます。」


私は頭を下げた。


「いや、俺がぶつかったんだし。

あっ、そうだ。
俺、1年の速見季関(ハヤミキセキ)。」



速見さんは微笑みながら言った。


「あっ…私、1年の、春日セレナです。」



私は頭を下げた。


速見さんは知ってる。と笑った。


「生徒手帳。見ちゃったから。」



そんなことを話していると…













< 135 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop