年上ヤクザ
「あの…どこ行くんですか?」
速見さんは一言も喋らず、ずっと歩いて行く。
しばらくすると…
「組長、連れて来ました。」
体育館裏にたくさんの人がいた。
その場所に着いた瞬間、速見さんが頭を下げた。
「季関、ご苦労さん。」
この声に聞き覚えがあり、私はゆっくりと顔を上げた。
「っ…!」
そこには…
「セレナ、久しぶりだなぁ。」
山下久信がいた。
「どうして…」
「片桐と別れたらしいな。」
久信は勝ち誇った顔をした。
でも、その前に私には一つの疑問がある。
「速見さん…?」
そう。速見季関だ。
「あぁ、季関な。コイツ、山下組の幹部だから。」