年上ヤクザ
駆け引き
「セレナ、飯の時間だ。来い。」
山下久信が私を呼ぶ。
「…………。」
私は亮のことが頭から離れず、ずっと椅子に座っていた。
「…セレナ…呼んでるだろ?」
「……………。」
「セレナ!ムカつくんだよ!」
山下久信は私の髪の毛を掴み、私の頬を殴った。
バシンッ!
「―――……。」
亮…亮だったら。
「セレナ!」
私をセレナって呼ばないで。
亮にしか呼ばれたくない。
バシンッ!
二発目だ。
でも、全然痛みを感じない。
「…おい、」
「はい。」
山下久信が言うと速見季関が来た。
「セレナを小屋に閉じこめろ。」
そう言ってから、山下久信はまた私を殴った。
バシンッ!
バンッ!