年上ヤクザ
~春日セレナ~
私は…いま初めて速見季関がいい人に見えた。
そして…私達の計画は
亮にかかっていた。
「セレナ、今から俺はお前を小屋に連れて行く。
でも…片桐に場所は教える。
アイツが助けに来たら、すぐに逃げるんだ。
そうしないと、片桐もセレナも…傷つくだけだ。」
「…季関は?」
そう聞くと、季関はフッと笑った。
「…初めて、名前で呼んでくれたな。
俺は…組長と出掛けるから。」
「…季関。
どうして?そしたら…季関が。」
私でも分かる。
季関が殺される。
「俺は…大丈夫だ。
お前達が幸せになれば。
さぁ、行くぞ。」
季関は…自分の命を賭けてくれる。
でも…絶対に季関は幸せにならなきゃダメだよ。