年上ヤクザ



そんな私を亮は抱きしめてくれた。


「…泣きやんだか?」

「…うん…。」


「じゃあ、速見を助けに行くぞ。」


亮は私を立たせた。



「…季関…助けて!」

亮はあぁ、と言って歩きだした。



私は慌てて追いかけた。


「…どこ行くの?」


「山下に話があるからな。

中津!」



亮は中津さんを呼んだ。


「はい。」


すると、どこからともなく中津さんが現れた。


「…分かっているな?」


「…はい。」



中津さんが亮の目を真っ直ぐに見た。




そして…



「中津!全員、中に押し込め!」


亮が大声を出した。





「セレナ、今から山下組に乗り込む。

でも…お前は修と裕也が守ってくれる。


だから、泣くな。」














< 156 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop