年上ヤクザ
そんな私を亮は抱きしめてくれた。
「…泣きやんだか?」
「…うん…。」
「じゃあ、速見を助けに行くぞ。」
亮は私を立たせた。
「…季関…助けて!」
亮はあぁ、と言って歩きだした。
私は慌てて追いかけた。
「…どこ行くの?」
「山下に話があるからな。
中津!」
亮は中津さんを呼んだ。
「はい。」
すると、どこからともなく中津さんが現れた。
「…分かっているな?」
「…はい。」
中津さんが亮の目を真っ直ぐに見た。
そして…
「中津!全員、中に押し込め!」
亮が大声を出した。
「セレナ、今から山下組に乗り込む。
でも…お前は修と裕也が守ってくれる。
だから、泣くな。」