年上ヤクザ
「…当たり前だ。この状態でお前が勝てるわけないからなぁ。」
「………フッ。」
「…何が可笑しい。」
俺は真っ直ぐに山下久信を見た。
「なぁ、お前の方が不利だったらどうする?」
パチン。
俺が一回だけ指を鳴らすと…
ザッ!
一気に扉から片桐組の若い衆が流れこんできた。
「――!嘘だろ…」
山下久信が立ち上がった。
「俺がこの状態を予想できないと思ったか?」
深く息を吸い込み、
「片桐組ナメんじゃねぇ!!」
俺は怒鳴った。
「…山下久信、お前に選択肢をやる。
一、ここで殺られる。
二、土下座する。
どっちがいい?」
俺は不適に笑った。