年上ヤクザ
「……ぁゃ…」
山下久信が小さく言った。
「はぁ?きこえねぇなぁ。」
「…謝る!」
俺は勝ち誇った顔をした。
バンッ!
「亮…!!」
突然、扉が開き俺は振り返った。
そこには…
「セレナ…!」
今にも泣き出しそうな顔をしたセレナがいた。
「亮…よかった…」
セレナは俺を見ると倒れそうになった。
「セレナ、大丈夫か?」
「…うん…」
そう言った後、すぐに
「季関は?ねぇ、亮!」
必死な顔をしてセレナが叫んだ。
「ったく、彼氏がいるのに…」
俺は苦笑いして速見を指差した。
「…季関…大丈夫なの?」
セレナが速見に駆け寄った。