年上ヤクザ
バンッ!
私は男を突飛ばした。
車の中…狭くて男は窓に頭をぶつけた。
「…ってぇ」
男が怯んだ隙に私は車から出た。
もちろん…上半身はブラのまま。
「…おい!」
外で見張っていた男が私の肩を掴んだ。
「…離して…」
「離すわけないだろ!」
私の肩に金髪の男の爪が食い込んだ。
「…痛っ」
私は顔を歪ませながら、体の後ろで携帯を開いた。
電話をかけるのは…亮。
亮のアドレスの場所は覚えてる。
そして…私は通話ボタンを押した。
金髪の男に分からないように。
プルプルップルプルッ
数秒、音が鳴った後…
「おい!セレナ、何処にいんだよ!!」
亮の怒った声が聞こえた。