年上ヤクザ
亮はそれだけ言って私の手をとり、部屋に向かった。
ガチャ。
亮は部屋に入るなり、私を抱きしめてきた。
「…セレナ。俺…婚約者がいる…んだ。」
私の目から一番止まった涙がまた流れだした。
「でも…俺はセレナが好きなんだ。一目惚れだ。」
「亮…。」
「もう少し待ってくれ。明菜が理解してくれたら、もう一度…俺はセレナに告白する。」
「信じていい?」
「あぁ。絶対に。」
「じゃあ、~悪かった~って言わないで?
私は謝ってほしい訳じゃないの。
私を…理解してほしいだけなの。」
亮は少し驚いた後、
「分かった。ありがとう。
愛してる、セレナ。」
私は微笑んだ。
「私も愛してる。」
私は圭介ではなく、亮を選んだことを何があっても後悔しない。
亮が好き。
世界で一番愛してる。