年上ヤクザ
「…セレナ、落ち着け。」
涙が勝手に出てくる。
とまるはずがない。
「帰ってよぉ!…ゥッ…。」
どうしてそんなに悲しそうな顔するの?
「セレナ…」
「亮が帰らないなら私…一人で帰る。
私は亮と…思い出をたくさん作りたかっただけなのに…。」
私は出口に向かって歩いた。
「待て!セレナ。話を聞いてくれ。」
亮が腕を掴んだ。
「嫌だ。今度は中津さんと二人で来るね?
亮に迷惑かけないように。」
片桐組で暮らす私は初め、怖くて震えていた。
でも…中津さんはいつも隣にいて支えてくれた。
私の中で中津さんは必要不可欠になっていた。
「セレナ。」
亮が私に話そうとすると…目の前にあの借金取りがいた。
スーツを着て、先頭に親分を連れていた。