年上ヤクザ
「お前に拒む権利はないはずだ。
それとも…片桐組を襲った方がいいか?」
片桐組を襲う?
亮が…傷つく?
中津さんが…キチさんが…片桐組の人達が…。
「…結婚したら…私がアナタと結婚したら、片桐組には手を出さない?
結婚したら、亮と私の関係は?」
手が少し震えた。
「あぁ、絶対に手を出さない。
それと、俺達が結婚したら片桐組はライバルだ。
関わることは許さない。」
あの別れが最後…。
「……分かりました。結婚します。
でも…亮と話したい。電話でいいの。」
私は頭を下げた。
「電話…か。
いいだろう。でも、今ここでだ。」
今ここで。
亮と最後の電話。