年上ヤクザ



「ほぉ、威勢がいいな。」


組長が言ってきた。


威勢がいい?
違う…。



「本当に大切な人なら、命でも、何でも懸けられる。

私は…亮が…片桐組が大好きですから。」



「…ほぉ、命を懸けられる。か。」



そう。
だから今ここで私は…自分の人生をこの人に売った。


本当は亮と…


どうして私って…昔からこうなんだろう。

本当に願うことは叶わない。


普通の幸せが欲しかっただけなのに…。

付き合って、結婚して、子供を生んで、家族をつくる。



神様。


私のこの願いは高望みですか?




「セレナと言ったな。今日からお前は俺と二人で寝る。


お前もそんなに子供じゃないだろ。

意味…分かるな?」













< 93 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop