年上ヤクザ
「ほぉ、威勢がいいな。」
組長が言ってきた。
威勢がいい?
違う…。
「本当に大切な人なら、命でも、何でも懸けられる。
私は…亮が…片桐組が大好きですから。」
「…ほぉ、命を懸けられる。か。」
そう。
だから今ここで私は…自分の人生をこの人に売った。
本当は亮と…
どうして私って…昔からこうなんだろう。
本当に願うことは叶わない。
普通の幸せが欲しかっただけなのに…。
付き合って、結婚して、子供を生んで、家族をつくる。
神様。
私のこの願いは高望みですか?
「セレナと言ったな。今日からお前は俺と二人で寝る。
お前もそんなに子供じゃないだろ。
意味…分かるな?」