年上ヤクザ
「…お前、遅い!
遅刻だぞ!罰金1万払え。」
「えっ…修。」
修さんは昨日のことがなかったかの様に笑顔だった。
「昨日の裕也は本当のお前じゃない。
何かを守るためだったんだろ?
ダチずっとやってきた俺が、気づかないと思ったか?」
「修…本当にごめん!
もう一回だけチャンスをくれ…。
ダチ…やり直したい。」
「…やり直すってか、ずっと仲間じゃん。
俺は…あんなことで友情は壊れないと思ってる。」
修さんはいつも以上に優しい笑顔だ。
「修…ありがとう。
ワイン奢ってやるよ!」
「へぇー言ったな?」
「安いやつだぞ!」
「殴られたんだけど?」
「ウッ!ったく、しょうがないな。」
二人は笑いながら話している。
いつもの様に…。
この二人の友情の糸は…太く、頑丈だった。