年上ヤクザ



ガチャ。


私が二人の会話を聞いていると、扉が開く音がした。



「セレナさん?」


振り向くと…


「中津さん…」


今休暇中の中津さんだった。


「セレナさん!若頭が捜しています!」


亮が…

いつも冷静な中津さんが少し大声をだした。


「兄貴…。」


「セレナちゃん…組長との約束だよ。」


裕也さんが静かに言った。


今…中津さんに助けてもらうことは簡単にできる。


でも…それは出来ない。


「中津さん…私…山下組の組長と結婚するんです。」


「はっ…?」


「だから…亮に…そう伝えて…ください。」

中津さんは少し怒っている。


「何故ですか!若頭は貴方を大切にしてたんだ!」


分かってる…。

分かってるけど…


「…山下組の組長を好きになっちゃったんです。」












< 99 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop