紅 猫



あたしは数年前まで普通のお嬢様
をやっていた。


学校に行けば梶原と知っている奴
からの媚び売りをする奴ばかり。

もちろん出歩いても同じだった。
大人たちが媚びを売るから。


それでもあたしはお嬢様でいなきゃ
いけないと思っていた。

だってあたしは“梶原”の者だから。



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