愛して。【完】
総長室に入って、そのままベッドへ直行。
そのままベッドにあたしの体を投げ出して、ベッドの上で蓮はあたしを抱き締めた。
「れ、ん……?」
身体が固まっていくのがわかって、声が強張る。
何で、あたし蓮に抱き締められてるんだろう。
何で、蓮はあたしを抱き締めてるんだろう。
何で何で、とあたしの思考回路を埋め尽くす。
でも、蓮はそんなあたしに気付いていないのか、気付いているのか。
少し体を離して、親指をあたしの唇に這わせると。
あたしの唇に、蓮のそれを押し付けた。
あたしは、何が何だかわからなくて。
わかるのは、絶対シないって決めている不良とキスをしている、という事実だけで。
見開いた目に映るのは、蓮の長い睫。
ただ触れるだけのキスに意味がわからなくなって、蓮の胸をドンドン叩いた。
それでもなかなか離れてくれなくて、いつの間にか座っていた体勢が、ベッドで寝ている体勢に変わっていて。
あたしの上に、蓮がいる体勢になっていた。
「んん~……やッ!」
そんな言葉と共に、唇が離れる。
あたしは唇が離れた瞬間、顔を蓮から逸らした。