愛して。【完】
精一杯抵抗していたのも、両手が蓮に拘束されたことで出来なくなった。
両手が頭の上で束ねられていて、ビクともしない。
あぁ――…あたし、このまま蓮と…
不良と……
……そんなの、ヤダ。
あたしがするのは純粋な爽やか男子高生だけだよ…?
この俺様のどこが、爽やかだっていうのよ!!
舌が入ってきそうになって、グッと唇を噛み締めるけど、蓮はいとも簡単にあたしの中に入って来る。
蓮の舌が逃げ回るあたしの舌を絡め取って、頭がボーっとする。
蓮はキスに夢中なのか、なかなか離してくれなくて。
あたしの唇に食いつくように、食べてしまう様に、しばらく唇を離してくれなかった。
やっと離れた唇にホッとしながら、息を整える。
経験があるといっても、殆どキスはしない。
あたしが嫌がることなんてないし、男もキスをしようとはしない。
遊びだし、別にキスしたいとも思わない。
キスは、あたしのセックス開始の合図の一回だけのことだってある。
そんなあたしは、激しいキスには免疫がなかった。
息が整い、蓮を睨みつける。
「何で、キスなんかすんのよ。
あんたなら、蓮ならどれだけでも女は寄ってくるでしょ…?
それなら、あたしとこんなことする必要なんてないじゃない!!」
あたしがそう言った瞬間、蓮はクッと笑う。