愛して。【完】
そんなことを言うあたしに、蓮は面食らったように目を丸くする。
「ねぇ――…殺してよ。
殺して。
殴ったっていいから。
だから。
だから――…
醜いこの顔面の原型を…
この顔を…
あたしを……
殺して…!!」
蓮の服をギュッと握って。
あたしはそう、後願した。
あたしは殺してと、すがった…
この顔が、憎かった。
あたしの全てが、憎かった。
この顔さえなかったら…
普通の容姿で生まれてきたら…
ずっと、そう思ってた。
でも、この顔じゃなくす方法…あるじゃん。
殴ればいい。
原型が無くなるくらい殴って、殴り殺せばいい。
殴って、あたしを…殺せばいい。
あたしが――…死ねばいい。