愛して。【完】
*three*
視線
次の日の朝。
目が覚めた時には、もう蓮はいなかった。
ノソッと重たい体を起こして、総長室から出る。
総長室を出た幹部室には、みんなが制服を着て、髪をセットして準備万端でいた。
「真梨ちゃん、おはよう」
「おはよ、真梨!」
「おはよー!!」
「お前、寝すぎだろ?」
「ふぁあ~…」
颯、隼、タカ、大河、蓮の順で挨拶してきたのに、あたしもおはよう、と返した。
大河と蓮はもはや挨拶じゃないけどね。
すると、隼が近付いて来て、あたしのハニーブラウンの髪を撫でた。
突然の隼の行動に首を傾げると、
「寝癖、ついてるよ?」
と隼はクスクス笑った。
まだ眠りの冷めない頭でボーッとその言葉を理解して、学校の準備してくる、と言ってから総長室に戻った。