愛して。【完】
「隼、これも一緒に会計して?」
「風船ガム?いいよー、俺が奢ってあげる!」
そう言う隼にありがとう、と微笑んで会計が終わるのを待つ。
会計が終わった隼が来たのを見て、一緒に学校へと歩き出す。
「ハイ、風船ガム」
「ありがと」
そう言ってそれを受け取ると、すぐにそれを口に放り込んだ。
今ここでタバコを吸うわけにはいかないから、それで取り敢えず我慢することにした。
隼と話しながら、学校へ戻る。
まぁ、隼が一方的に話をしてるだけなんだけど。
あたしはそれに相槌を打って、たまに話す。
それを繰り返して、学校へと戻った。
そう、ある男にその姿を見られていたとも知らずに。
「へぇ、女嫌いの南山隼があの水川真梨とねぇ…」
その男が、そう呟いていたことも知らずに…