愛して。【完】
「あたしの屋上……」
ポツリと呟くと、入口のすぐそこで屯っていた蓮達が顔を上げる。
「よぉ、真梨。朝ぶりだなぁ?」
「よぉ、じゃないわよ。何で溜まってるわけ?」
「何でも何も、昨日勝手にここ使えって言ったのはお前じゃねぇか」
……そうだっけ。
う~ん、と昨日の記憶を掘り出す。
あれ、あたし…
「もうここには来ない。勝手にアンタ等が使えば」…的なこと、言った……かも?
あたし、馬鹿じゃん……
「思い出したか?」
「あい」
「じゃ、ここ使わせてもらうぜ」
「あい………って、よくなぁい!!」
いきなり大声を出したあたしに、屋上にいる獅龍の面子が全員こっちに振り返る。
でも、あたしにはそんなこと気にしてる余裕は無くて。
咄嗟に口を開いた。
「言ったことを今更変撤回したくないけど!いや、撤回するのは嫌いだけれども!!
でも!
ここに溜まられると困るっ!
学校で唯一自分を出せるのはここだけだし、ここ以外はどこに行っても人がいんのよッ!
そんな中でタバコとか吸えるかっっ!!!!」