愛して。【完】





味気の無くなったガムを口から出して包み紙で包むと、コンビニの袋に入れて、タバコを掴む。


元々ポケットに入れてあったライターで、タバコに火をつけた。




ボーッとタバコを吸いながら寝ころぶと、下からの視線が痛い。


上からヒョコッと顔を出して、何よ?と睨むと、あからさまに獅龍の面々が顔を逸らした。


何なの、こいつ等。


どうせ、あの水川真梨がタバコ吸ってるとか、そういうこと思ってんでしょ。


別にあんた等にどう思われたってあたしは構わないけど、ジッと見られるのは勘弁。


軽蔑の視線は向けないように気をつけてるんだろうけど、気をつけてるだけで向けられてることは変わってないし。


特に、昨日の赤髪くんの視線が痛い。


気をつけようとも思ってないような視線を向けて来る。


獅龍の面々が顔を逸らした中で、逸らさなかったそいつ。


目が合うと、ギロッと睨まれて、近づいてきた。







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