愛して。【完】





「――ッッ!お前に…、何がわかんだよっ!この淫乱女!!!」




光がそう言った瞬間、虎太郎が慌てた様に光っ!と光の名を呼ぶ。


近くにいた蓮達がこっちへ来ようとしていたけど、あたしは視線だけで来るな、と促した。


光を見下ろして、フフッと笑う。


なんだか、突然全てが可笑しく感じた。


あたしがここにいることも、


あたしが遊び人だということも、


あたしが生きていることも、


…全部。


もともと、可笑しかったんだ。


もともと、狂ってたんだ。


あたしが、生まれた時点で。


知ってる。


知ってるよ。


あたしが淫乱女だって、


どうしようもない奴だって、


あたしが一番良く、知ってる。


だから…だからさ?




「知ってるわよ、そんなこと。
でも、あたしにあんたが分かるわけないように、あんたにもあたしが分かるわけない。


何も知らないくせに、知ったようなこと言わないでよっっ!!」







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