愛して。【完】





平日の昼間の繁華街。


昨日と同じように、学生がチラホラ。


色んな視線を受けながら、鞄から男用ケータイを取り出す。


昨日、かかってきたら面倒臭いから、と切っておいた電源を入れる。


突如、ケータイが鳴りだす。


うわぁ~…と思って、しばらく放っておくと、煩かったのが、シン、と静かになった。


それを合図にケータイを開くと、着信4件、新着メール2件と表示されている。


どうせ着信もメールも男からの誘いだろうし…着信は折り返すのが面倒だから、とりあえずメールの受信ボックスを開いた。


メールは2件。


1件は昨日で、1件は今日。


昨日のはムリだけど、とりあえず今日のなら、と思い、それを開く。


相手は……“ケイ”と言う男。


メールの内容は思った通り、今日会えるか、だった。


しかも、今日は創立記念日で学校が休みらしい。


なんて羨ましい。


少し受信してから時間が経ってるけど、了承すれば喜んで走って来るだろう。


本当は、獅龍の奴等といるんだし、遊ぶ気はなかったけど。


光とかにあそこまで言われて、大人しくしてなんかいられない。


ストレスが溜まりすぎて、このまま数日が経てば、あたしじゃなくなってしまいそうだ。


だからあたしは…あたしなりのやり方で、ストレスを発散する。


あたしはケイに了承と待ち合わせ場所を指定したメールを送ると、待ち合わせ場所として指定した、ある喫茶店へ向かった。






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