愛して。【完】
「う~ん…ごめんだけどぉ、今日はダメなんだぁ……ごめんねぇ?」
吐きそうな言葉遣いで、上目使いで相手を見る。
案の定相手は顔を赤くして、じゃぁ連絡先教えて?と言って来た。
あたしはいいよぉ♪と笑い掛けて、ケータイを差し出す。
男はケータイを受け取ると、ルンルンで自分のケータイを取り出して、操作し始める。
しばらくすると、終わった、と言う様にケータイをあたしに差し出した。
「んじゃ、真梨ちゃん、ゆっくりしてってね♪」
「うん♪連絡頂戴ねぇ!」
社交辞令の様にそう言って手を振ると、男は店の奥へと消えていく。
すると、すぐに戻って来て、サービスだとカフェオレを置いてまた戻って行ってしまった。
あたしは、意外といい男(金のありそうな男)だと思い、口角を上げる。
金のある男には、存分に金を使ってもらわなきゃね。
とは言うものの、感覚は庶民だから、ご飯奢ってもらったりするだけなんだけど。
逆に言えば、昨日の蓮の様に服とか全部買ってくれるのは、ちょっと……あたしにとって、それは貢がせる通り越して、何て言うか………貢いでくれてると言うか…
あれ、それって一緒か?
まぁ、どっちにしろ、あたしはご飯を貢いでくれて、爽やかな男ならだれでもいいんだけど。
あ、後、遊びなれてそうな人ならだれでも。
遊びなれてないと、後から面倒臭くなるしね。
ん?
あ、でもそう言えば、ご飯とか獅龍が出してくれるんだっけ?
う~ん…
でも、今日のあたしは外泊決定だし…
てか、外泊ダメとか言われてないよね?
うん、多分言われてない…
多分、だけど…