愛して。【完】
“水川真梨”
【光side】
ん……だよ、アイツ…
一々…ムカつくんだよ。
毎回毎回……
人のこと、バカにした様に…ッ!
そのくせ、俺達を見る瞳は闇に染まってるのに、強がってるようにしか見えなくて。
たまに見せる悲しそうな瞳は、俺の…俺達の心の奥をくすぐる。
「あたしは、その“スキ”って感情自体抱いたことなんてないし。
それを理解しようとも思ってない」
「あたしは乗った男と寝ただけ。悪いことをしたとは思わない」
俺を睨んでそう言った時も、
「敬語、使いたくないなら使わなきゃいいじゃん。つーか、あたしに敬語なんて使ってどうなんのよ。
蓮達にそうしろって言われたとか、何か理由あんのかもしれないけど…
あんた達がそんな風にあたしに話し掛けてたら、こっちが気持ち悪いわ。鳥肌立つ。
…特に、光」
眉間に皺を寄せてそう言った時も、
「してやったって、偉そうに…
それが上に立つ人の態度なわけ?
普通、上に立てば立つほど、頭さげなきゃいけないんじゃないの?」
怒った様にそう言った時も、
「知ってるわよ、そんなこと。
でも、あたしにあんたをわかるわけないように、あんたにもあたしがわかるわけない。
何も知らないくせに、知ったようなこと言わないでよっっ!!」
ついさっき、俺にそう怒鳴った時も。