愛して。【完】
「どうすんだよ、光」
取り敢えず、学校から飛び出してバイクを走らせた俺に、虎太郎も自分のバイクを走らせながら聞いてくる。
「あの女が行くなら、繁華街だろ」
虎太郎はそんな俺に頷いてついて来る。
何となくだけど、もう学校にはいない気がした。
それに、学校内ならもう他の奴が捜してるだろう。
それなら、アイツの出没地帯である“遊び場”繁華街にいるとしか思えない。
グッと、手に力を入れた。
繁華街に着くと、適当な駐輪場にバイクを入れて歩き出す。
平日の真昼間、人は疎ら。
これならすぐ見つかるかな、と思ったが。
これがなかなか…見付からない。
「どこ、行ったんだろうな…」
「ホントだよ……アイツ、手間かけさせやがって」
ブスッとしながら言う俺に、虎太郎がクスクスと笑う。