愛して。【完】
「なぁ、お前」
俺がそう声を掛けると、あ?と言って振り向くその男。
イケメンの部類に入るであろうその男は、蓮さん達ほどではないけど整った顔をしてる奴だった。
その男は、俺達の顔を見た瞬間顔を青くする。
まぁ、そりゃそうだろうな。
コイツ、不良に免疫とかなさそうだもん。
不良っつっても、俺等みたいな族に入ってるのじゃなくて、中途半端な不良しか知らねーって面してる。
そんな男に笑いそうになりながらも、用件を話す。
「さっき、水川真梨に会ったのか?」
「え、あ、あぁ…そ、そうだけど」
「どこで?どこ行った?」
「こっ、ここであったけどっ!どこ行ったかは知らねぇ!!」
…この男、とんだビビりだな。
一々噛んでんじゃねぇよ、面倒くせぇ。
はぁ、しょうがねぇなぁ。
「質問変える。アイツ、誰かといたか?」