愛して。【完】
カフェを出てとりあえず歩き出した俺に、虎太郎は不思議そうな顔をして聞いてくる。
「どうすんの?」
いきなりそう言って来た虎太郎に、俺は目を合わせずに淡々と答える。
「アイツのことだ、どうせホテル街にでもいるんじゃねーの。…男と」
“アイツ”って言うのは、勿論真梨のこと。
虎太郎も、ちゃんとわかってる。
その証拠に、ホラ。
俺の考えに、否定しようとしない。
それは多分、俺と同じ考えで。
ちゃんと、真梨のことだと気付いてるから。
俺達はそれ以上会話を交わそうとはせずに、ホテル街へと足を動かした。
【光side end】